【ミライロ仕事図鑑】株式会社ネオ倶楽部

次世代を担う学生が、福岡という枠組みに囚われずに面白い取り組みに挑戦する企業を取材し、福岡商工会議所の会報誌「福岡商工会議所NEWS」の記事を作成する企画「ミライロしごと図鑑」。

本メディアでは会報誌にはおさまらなかった写真、インタビューを通して学生が得た気づきを紹介します。

6回目となる今回(会報誌9月号)は、株式会社ネオ倶楽部さんを取材しました!

今月の取材先:株式会社ネオ倶楽部とは?

「日本一元気な会社になる。」を社是に掲げ、旅行事業をはじめ就職支援やアパレル、貸し切りバス、コスメなどの多様な事業を展開。大学生活はもちろん、就職後の若者の未来を応援している。福岡市博多区中洲に本社を構え、現在は東京や大阪にも事業所を置いている。

今回取材に協力して頂いた方)株式会社ネオ倶楽部 代表取締役社長 柳川敏昭さん

学生を応援し、若者の未来を元気にしたい

ネオ倶楽部創設の経緯を教えてください。

大学生のとき、学生が企画・パンフレット作成・募集・添乗までのツアーをする学生サークルをつくって、今でいうベンチャーのようなことをやっていました。その縁で、社会人になる時に、旅行業をするためのライセンスを借りていた旅行会社から声をかけていただき、その会社で13 年間サラリーマンをやっていました。そして10 年目になった頃、「学生時代のチームのような会社をつくりたいな」と思い始めたのです。サラリーマンだと色々と制約もありますからね。「学生時代にあのツアーができたのは、お手伝いをしてくれた大人がいたからだ。今度は、私がしてもらったことを大学生にお返ししよう」という気持ちでネオ倶楽部を創設しました。学生を応援することによって若者が
元気になれば、と思っています。

学生のころから起業家になりたいという思いがあったのでしょうか。

いえ、学生のころから、「起業家になりたい、経営者になりたい」と思っていたわけではありませんでした。でも、社会人になって若者を応援したいと思ったとき、縁やタイミングが重なって、協力者に出会えたことが起業する大きなきっかけになりました。
元々部下だった人が「栁川さんと一緒に仕事したいです」と言ってくれたのです。そこで、「よっしゃ!会社つくろう!」というノリで起業しました。何かやろうと思っていても、そのまま一歩踏み出さずに思いとどまる人もいるけれど、悩むよりは一歩踏み出したほうがいいと私は思います。一歩踏み出せば色々なものが見えきますよ。

学生を応援する仕事って本当に素敵ですね。
ところでネオ倶楽部さんは今や幅広い事業を展開されていますが、事業拡大のきっかけは何だったのでしょうか?

そうですね、例えば就職支援事業についてはこんなヒストリーがあります。

社会人になってから、大学の部室に行った時、「社会人って厳しいですか」「ノルマがあるのですか」「会社に苦手な先輩はいませんか」って、3 年生から色々と質問され、「大学生の一番の悩みって就職活動かもしれない」と感じました。そんなある日、良かれと思ってある会社を友人に紹介したのですが、1年後にやめてしまったのです。「栁川さんに紹介してもらった会社って、先輩は理不尽だし、給料は低いし…」って。そこで、「私はその会社をよく知らないのに紹介して、この子の人生を狂わせてしまったかもしれない」と気づきました。「よかれと思って紹介するレベルで就職活動を応援しちゃだめだ。ちゃんとライセンスを取って就職支援の会社をつくらないといけない」と感
じ、就職エージェント九州株式会社と、一般社団法人学生就職支援協会、東京の株式会社キーカンパニーを始めました。旅行とかアパレルは、お客さんとのお付き合いは 1、2 年。でも就職支援の場合は、就職して終わりではありません。就職した後も、会社の愚痴を聞いたり、昇格にあたって相談を受けたり、約 40 年お付き合いすることになります。そう考えると、しっかりとした会社を立ち上げるべきだと思いました。
「学生さんから墓場まで」、応援できることは、すべてネオ倶楽部の商材になると考えています。学生のときにネオ倶楽部に出会って、ツアーを企画する。就職活動が始まれば就職支援をし、就職。やがて結婚すれば、ネオ倶楽部がハネムーンを手配できます。子供ができて、マンションから一戸建てに引っ越したいと言えば、不動産も応援できます。

ネオ倶楽部さんの事業にはそのような想いがこめられていたのですね。

今後の展望をお聞かせください。

福岡・大阪・東京に拠点があるのですが、今までは東京・大阪にあまり力を入れられていませんでした。だから関東圏と近畿圏の人材を増やして、学生市場をもう少し拡大していくことが一つの目標です。

また、年間 8万件ほど学生さんたちの旅行やアパレルの手配をしているのですが、そのデータを有効利用して、学生に特化したアプリをつくれないかと考えています。登録したら、アプリで就職支援を受けられるようにします。例えば、ネオ倶楽部の講師による面接対策セミナーなどの無料講座。他にも「面接官受けするメイクアップ講座 基礎化粧品無料プレゼント付き」とか、「イベント無料招待券プレゼント」などのお知らせが
来るといいですよね。学生が本当に楽しんでくれるような情報を発信できるアプリにして、さらに「そのアプリに登録したら就職の応援もしてもらえた」というような、学生のためになるものをつくろうと考えています。

リリースが楽しみです。
今までのお話を通して栁川社長は仕事を本当に楽しまれていると感じました。工夫されていることはありますか?

自分で会社を作るときに、「有限会社の作り方」という580円の本を買いました(笑)。その本の「社長は絶対的にポジティブであれ」っていう言葉がずっと心に残っています。経営者はきつくてもきついって言ってはいけない。なぜなら、きついって言ったって社員を不安にさせるだけで、何も変わらないから。会社が儲かってなくても、社長の給料が安くても、あたかも儲かっているようにしないと、スタッフもついてこないし元気にならない。景気は常にいいわけではない。だからポジティブに物事を考えていくことが大切だと思います。

 「学生に求められるもの」とは

ネオ倶楽部は若者の未来を応援する企業ということですが、今後求められる「次世代人材」とはどのような人材であるとお考えですか?

学生さんや新入社員の方々が先輩に勝てるのは「元気」と「素直さ」。スキルは教えてもらって身につければ十分。朝会社に来たら大きな声で「おはようございます!」と言う、先輩に言われたことは素直に受け止めて試してみる、ということが大切です。
また、新入社員には「ちゃんとスキルつけないといけないよ。来年1年生入ってくるとすぐにあなたは先輩になるのだから。」とよく言います。すると新入社員は、焦って一生懸命勉強しますね。「新入社員が入ってくる=先輩が成長する」ということにもなります。

今の学生に向けてアドバイスをお願いします。

学生はせっかく就活するんだったら、まず自分がやりたいことをすべきだと思います。好きなものがあって、そこに明確な目標があるという人は、その目標を実現できる会社に行くべきですね。でも何をしていいかわからないという人はとりあえず企業訪問してみて、会社の経営者に会ったり、働いている風景を見たりしてみてください。そして「楽しそうだな。」と思ったら、就活でその企業にチャレンジしてみるというのもいいと思います。動かずして何もいいものは見えないので、会社訪問や就活をするなら、多くの企業や経営者を見るのがいいですね。

私の周りでも、多くの学生が就活に不安を抱えています。

学生就職支援協会やインターンシップなどに申し込みをして、さまざまな企業を訪問することが必要ですね。
知らないから不安になるのだと思いますよ。知らないということが不安であるならば、インターンシップに行ったり、サークルの先輩で社会人がいれば会ってもらうということもできます。

人生を楽しむためのアドバイスはありますか?

出会いを大切にすること。そして常に「これはなにかプラスになる」と思って物事を見るようにすべきだと思います。プラスの側面って、見ようとしないと見えてきません。だから私は、常に自分が楽しいことを見ようとしています。そして悩んだときは動くこと。動くことからしか不安は解決しません。もっと言えば、動けば大概のことはクリアしていけますよ。

最後に、学生へ一言お願いします。

好きなことやってください。そして興味を持たないということは罪だということを伝えたいです。自分で「こうしたい!」と思えば変わるけれども、思わなかったら何も変わらない。自分で動けば何かが起きます。だから就活を頑張ってください!

学生インタビュアーの感想

WANメンバー園田映美音さん(九州大学1年生)

今回の取材を通して、「学生を応援するために何ができるのか」ということを常に考えて実行されている柳川社長の発想力・行動力に感動しました。多くの大学生が就活に不安を抱える中、このように私たち学生を応援している人がいるということは、大きな心の支えになると思いました。
最も印象的だったのは、「出会いを大切にし、常に『プラスになる』と思って物事を見るべきだ」という言葉です。私自身、今まで様々なことに興味を持ち挑戦するようにはしてきたのですが、そのひとつひとつに「意味」をもたせることが出来ていなかったと、柳川社長のお話を通して気づきました。これまでの経験の中で何を学び、どのように成長につなげたのか。この機会にもう一度振り返ってみたいと思います。

柳川社長、ありがとうございました!

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