「福岡商工会議所NEWS(福岡商工会議所会報誌)」のコンテンツ「ミライロしごと図鑑」では、
“次世代学生が成長企業を取材し、自分が将来活躍するフィールドを探しにいく”
をテーマに、「福岡」という枠組みに囚われず、面白い取り組みに挑戦する企業を紹介しています。
新年度を迎え、第1回目となる今回(会報誌4月号)は、株式会社 三好不動産 スマイルプラザセレクト天神 是澤まゆさんに、『10年後』をテーマにお話を伺いました。
NPO法人学生ネットワークWANは、この「ミライロしごと図鑑」の取材・記事執筆を担当しています。本メディアでは、会報誌にはおさまらなかった写真も掲載しました!
今月の取材先:スマイルプラザセレクト天神とは?
リノベーションで再生した部屋や高いデザイン性など、魅力的な物件を集めた(株)三好不動産の「セレクトショップ」型の新業態店。
従来の不動産業のように物件の立地や広さなどの条件に合わせて物件を検索・紹介するのではなく、部屋に入ったときの空気感や窓からの景色など、ストーリー性を重視した物件紹介を展開している。
ー セレクト天神の自慢できるところを教えてください!
セレクト天神は、三好不動産とグッドルームがコラボしてできたセレクトショップです。だからセレクト天神では、グッドルームがこだわる「無垢材を使ったシンプルだけど温かいお部屋」をコンセプトとして営業しています。現在、高級感などよりも、住みやすさや温かさを重視するお客様が増えているので、これからもっと人気が出てくるのではないかと考えています。また最近、お部屋を探すというより、エリアの雰囲気や住み心地を重視する人が多いので、お客様の雰囲気やイメージを大切にしています。お部屋ももちろんですが、その周りの地域の雰囲気などの希望もお伺いして、「暮らし」という大きな枠で提案するのです。例えば、おしゃれなカフェが好きだという方には、仕事が終わった後に行く事ができるカフェが近くにある、といった情報も一緒に提供するようにしています。
ー 是澤さんは営業の業務をされているとお伺いしました。営業の仕事を通して、会社や社会にどのように貢献していると思いますか。
営業という業務はお客様に接する時間が長いので、お客様にとっての三好不動産の印象に直接影響します。だから、常に三好不動産の看板の役目を果たしているという気持ちで働いています。また、賃貸の部署には比較的若い社員が多いので、営業をする私たちの姿を見て、上の世代に「もっと仕事を頑張ろう」と思ってもらうことができれば良いなと思っています。
ー 不動産業の将来をどう考えていますか?
今後さらにAIが普及し、仲介業はなくなると言われています。事前にインターネットで物件を選んで来店されるお客様も多いので、「人」が必要なくなってきているという危機感を感じます。しかし一方で、何が不満で引っ越しをしたいのかがわからない、という状態で来店される場合も多く、そのような場合は、詳しく話を聴きながら一緒に理由を見つけていきます。このように、お客様一人ひとりと向き合い、相談に乗るということは、AIにはできません。人間にしかできないことを大切にしつつ仕事を見つけていかなければ、仕事は無くなってしまうと思います。
ー 是澤さんは、大学時代に部活動をされていたそうですね。就職活動はいつから意識し始めたのですか?
学生時代は部活動で頭がいっぱいで、早めにスタートを切ることもなく、周囲の友人と同時に就職活動を始めました。最初は、人生の幸せな瞬間に立ち会う事ができるブライダルの仕事に興味を持ち、ブライダル業界のインターンに片っ端から足を運びました。しかし、他の業界も見なければと思い、働いている「人」に惹かれた会社を受けることにしました。そのうちの一つが、三好不動産。まだ入社が決まっていない選考段階から手厚いフォローがあり、「こういう会社に入りたい!」と思ったのです。就職してからも、三好不動産は充実した研修を行っており、入社2・3 年目まで様々な研修を受けることができるので、実際の業務に役立っています。また、三好不動産では宅地建物取引士の資格を取得しなければならないのですが、取得のためのサポートもしっかりしています。独学だとなかなか続けることは難しいので、恵まれた環境だと思います。
ー 三好不動産の、社員を大切にする点に魅力を感じられているのですね。 そのほかに就職で重視していた点はありますか?
将来、結婚や出産をした時のことを考え、出身地である福岡で就職することにこだわっていました。もちろん全国転勤でお金を稼ぎたいというビジョンを持つ人もいると思いますが、私は人生で結婚して家族を持つということを大切にしたいので、育休や産休の制度があるか、また、実際に取得されているかどうか、を重視していました。
ー では、この企画のテーマである「10 年後」は、結婚や出産の時期を迎えられているかもしれませんね。三好不動産でのキャリアアップや転職など、どのようなビジョンを描いていますか?
10年後は、産休や育休を終えて仕事に復帰し、何かの役職につけていたらと思います。仕事と家庭を両立させ、自分に合った働き方ができればいいなと考えています。転職については、「結婚して家庭を持つ」という自分の人生の軸を実現できる、働きやすい環境が他にもあれば考えてみても良いかもしれない。ただ、自分の中で何か一つを完璧にしてからでないと、新しいことを始めても中途半端になってしまうと思うので、まずは、今担当している賃貸の営業を完璧にこなせるようになりたいです。その後に店長として社員の教育をしたり、他の業務に携わったり、というように、三好不動産での一つひとつの節目を大切にしたいです。
ー 店長になるとしたらどのような店舗にしたいですか。
一番に目指すのは、働きやすい店舗です。売上は大切ですが、売上をあげるのはそこで働いている「人」だからです。私自身が学生時代、あまり目上の人に聞くことができず悩んだ経験があるので、上司が気にかけてくれたり、先輩に本音を話すことができたりする環境をつくりたいです。どんなにきつくても一緒に頑張る人がいれば頑張り続けることができます。しかし逆に人間関係が崩れると、働くこと自体が嫌になってしまいます。この店舗は私を含め3 人ですが、とても居心地のいいチームです。私もこのようにスムーズに仕事ができる店舗にしたいですね。そのためにはまず、話しやすくて頼れる、優しい先輩になりたいです。
ー これからセレクト天神としてチャレンジしたいことはありますか?
今は、すでにリノベーションされたものを提供する仲介業務だけを行っているので、お客様の要望を聞いて一緒につくっていくような仕事ができるようになりたいと思っています。
福岡は人口と共に新築物件も増えていますが、一方で空き家も増えています。糸島や薬院はそのような空き家を利用したお店も多く、人気のエリアです。住宅に限らず、カフェや店舗にリノベーションするなど、新しいコンセプトを持つセレクト天神から様々な取り組みに挑戦して、空き家問題に向き合っていきたいと思います。
一緒に働く人との関係が、個人やチームのモチベーション・仕事の完成度に大きく関わっているということに気づかされました。是澤さん、貴重なお話をありがとうございました!