「コミュニケーションを武器に、 失敗を恐れず挑戦し続ける」株式会社やまやコミュニケーションズ 藤木和泉さん【ミライロ仕事図鑑】

「コミュニケーションを武器に、 失敗を恐れず挑戦し続ける」株式会社やまやコミュニケーションズ 藤木和泉さん【ミライロ仕事図鑑】

「福岡商工会議所NEWS(福岡商工会議所会報誌)」内の企画「ミライロしごと図鑑」では、

“次世代学生が成長企業を取材し、自分が将来活躍するフィールドを探しにいく”
をテーマに、「福岡」という枠組みに囚われず、面白い取り組みに挑戦する企業を紹介しています。

第4回目となる今回(会報誌7月号)は、株式会社やまやコミュニケーションズ 藤木和泉さんに、『10年後』をテーマにお話を伺いました。

NPO法人学生ネットワークWANは、この「ミライロしごと図鑑」の取材・記事執筆を担当しています。
PDF版はこちらからご覧いただけます。

今月の取材先:株式会社やまやコミュニケーションズとは?

「コミュニケーションを軸とした食生活を提案する企業へ」をコ ンセプトに掲げる、1974年創業の博多明太子の老舗。「お客様のことを考える」という基本姿勢を大切に「食」という幅広い分野で活躍できる高い能力を養い、 辛子明太子づくりから「食の総合プロデュース企業」を目指す。

ー現在はどのようなお仕事をされていますか?

今はプラント部に所属し、明太子を専門に作っている「本社第一工場」の工場長として全体のマネジメントをしています。プラント部とは、やまやの商品を作る部署のことで、工場が国内外合わせて6 つあります。各工場で何を作るかは、工場が置かれている地域の特性やお客様のニーズに合わせてそれぞれ決められています。私の勤める工場では贈答用の明太子を作っています。

ー日々明太子づくりに関わっていらっしゃる藤木さんから見た、やまやの明太子の魅力を教えてください。

やまやの明太子はゆずの効いた味付けで、柑橘系のさっぱ りした食べ物が好きな私にとっては、最高の味付けです。さ らに、旨味にこだわっているので辛過ぎず、非常に食べやす いです。だから、実は私は、幼少期からやまやの明太子の ファンなのです。仕事柄、他社の明太子を食べる機会も多く ありますが、やまやの明太子が一番おいしいと自信を持って言うことができます。

ー ㈱やまやコミュニケーションズの好きなところはどこですか?

私が一番好きだと感じているところは、社名の通り、コミュニケーション能力に長け、目配りや気配りができる社員が多いことです。 私は入社して今年で5 年目になりますが、人間関係で困ったことは一度もありません。そのような環境があるからこそ、業務も全体的に効率化できているのではないかと思います。 これは他社には負けないやまやの魅力です。

ー貴社の企業コンセプト「コミュニケーションを軸とした食生活」について、藤木さんは具体的にそれがどのようなものであると考えていますか?

例えば家族と一緒に家でご飯を食べているとき、その食卓にやまやの明太子が並んでいて、「この明太子おいしいよね」という会話が生まれる。そういったことが食事におけるコミュニケーションではないかと思います。日々の食事の場におけるコミュニケーションを推進するような、素敵な商品を提供することが目標なのだと考えています。

ー確かにおいしい食べ物があると、会話も弾みますね。
ところで、学生時代のご自身を振り返ってみて、今と変わったところはありますか?

学生時代よりも社会人のほうが楽しいですね。学生の頃は、何をしても物事をやる意味が見出せず、ただ大学を卒業するために課題やレポートをこなしているような感じがして全く面白くなかったです。しかし、社会人になってからやっていることは全て何かしらの意味があるので非常に楽しいです。毎日、はつらつとしています。

ー社会人の楽しさを一番感じるのはどのようなときですか?

一つ目は、お客様に感謝の言葉をいただける時です。お客様から直接「明太子おいしかった。ありがとう。」とか「また買いたい。」といった言葉をいただけると、とても嬉しいですね。 二つ目は、自分が担当している大きな案件が成功した時に喜びを感じます。具体的には、2000 万円ほどのコストがかかるロボットを作るプロジェクトがあったのですが、つい最近それが成功したのです。その時は本当に感無量でした。

ー若手社員が新しいことに挑戦できる環境はモチベーション アップにつながっていますか?

そうですね。他の会社に就職した友人から、新しいことをするにしても手続きが多く、なかなか腰が重たいというような話はよく聞きます。その点、やまやは「とにかくやってみよう。失敗したことが失敗なのではなく、やらないことが失敗であり機会損失だ。」と考えているので、面白い会社だと思います。やまやは役職についているか否かに関係なく、企画を出したり提案をしたりする場は常に設けられています。だから、私もアイデアを思いついたらすぐに上司に相談します。会議室のような改まった場で企画を提案するというよりは、普段のコミュニケーションの一部で企画について話をすることが多いです。

ー藤木さんが入社 5 年目にして工場長を任されているように、 やまやさんでは多くの若手社員が新しいことに挑戦し活躍されていますが、その秘訣は何でしょうか?  

これは私の考えですが、若手社員でも、上司にどのようにして活躍してもらうかまで考えている点だと思います。組織階層というのは、上司の活躍が評価されれば、それを支えるチームや自分も評価につながります。だからまずは、自分が評価されようとするのではなく、自分の上司がどのようにしたら評価されるかを考えて動くと、評価の見方はかなり変わってきますし、上司も褒められ、私も褒められるというwin‒winの関係ができるわけです。

ー最後に、ご自身の10 年後のキャリアやビジョンについて教え てください。

10 年後って難しいですね。実はもうすぐ新しい工場ができます。最先端の工場なので当然規模も大きくなるのですが、 次のステップとして、そのような大きい工場を管理していたいと考えています。今工場長をしているのは100 人規模ですが、 200 人、300 人と大きくなってもその質を維持していくということにチャレンジしたいです。  
 そして今後のビジョンについてです。私の使命は、やまやの素敵な明太子をたくさんの人に知ってもらい、愛してもらうことだと考えています。その使命を果たすため、製販一体で工場全体の管理を行い、明太子をもっと知ってもらうことにつながる仕事をしていきたいです。将来的には経営職に就き、今よりもさらに多くの人々にやまやの明太子を食べていただけるようになりたいです。

工場長として組織を引っ張り、博多の文化である明太子を多 くの人々に届けたいという熱い想いを持つ藤木さんのお話は とても刺激的でした。また、新しいことにどんどん挑戦する 姿勢は学生のうちから大切にするべきだと改めて感じました。 藤木さん、貴重なお話をありがとうございました!